トピック: 2-4 ナチュラル フード
あれからあたしは何度かロランとあの海の湯に行った。
黒い岩と青い海にオレンジのベールをかけた夕方がすてきだった。
ぺちゃくちゃチットチャットしないロランとの散歩は、
それだけでもう、たくさんのことを学んだみたいな気がした。
そしてその時間はあたしたちの現実からの、
大切なブレイクだった。
毎日の島での生活では、
それぞれが役割を持っていた。
JJはすべてをオーガナイズし、かつ運転する人。
島の人たちがMain Landと呼ぶ本土出身のJJがそうするのが、
あたしたちの中では一番都合がよかったからね。
オーガナイズも運転もしないロランは、いってみれば「そこにいる」人。
あたしはキッチンの人。
そしてスティーヴンは自分のことだけ、をする人。
JJはこの家に来て以来、
毎日のように海辺のこの家から裏に聳える山を越え、
数マイル離れたナチュラルフードの店まで車を走らせた。
たいていはあたしのメモとロランがJJの同乗者だったけど、
あたしも時々気分転換に一緒に行くこともあった。
特に独りになりたいって文字が、
スティーヴンの目に浮かんでいる時はね。
あたしたちがこの家にやって来たその日、
たしか5月2日。
もう島は暑くて真夏みたいだった。
その日、
引っ越して来たばかりのこの家に
スティーヴンを一人残して、
だって、残りたいって言ったから、
さっそくあたしたち3人は車に乗り込んだ。
山を越えたところの、
ニューエイジなハワイな雰囲気いっぱいのログハウス、
その小さなナチュラルフードの店の、
おばさんともおねえさんともつかないその人は、
日に焼けた肌、
ヒッピー風なレインボーカラーの帽子、
クリスタルのヒーリング・カウンセラーだと言った。
そのレインボーなヒーリングねえさんは
誰にも礼儀正しいJJがことさら気に入ったようで、
その帰り道にあたしは「御愁傷様でした」
ロランが「Darling, Don’t cheat on me !」
浮気は許さないぞと笑ったけど、
JJはヒーリングねえさんのウインクにちょっと、
いや、かなり、うんざりしてしまったようだった。
肝心の店の品揃えは、
EdenのSoy Milkやライスクラッカー、
TofuにMiso、自然食品店らしくそれなりだったが、
「島だからね」
いつものJJの流暢な日本語が信じられないくらいに
本当にびっくりするほどなにもかもが高かった。
だけどすべては血となる肉となる、
そして自分を取り巻くすべてに繋がるエレメントだから、
必要な物すべて、その店のオーガニックで買いそろえた。
常備品、ほか:
・ Miso(お味噌)
・Soy Sauce(お醤油)
・Tofu(お豆腐)
・Brown Rice(栄養の取り除かれていないお米)
・Brown Sugar(栄養の取り除かれていないお砂糖)
・Rice Cracker(ポン菓子を寄せ集めたもの)
・Sesame Oil(ごま油)
・さかな(マヒマヒとか、アヒとかいう)の切り身
(!トモコさんとこで食べたのはこれだったんだ!)
・ぶどう(種も食べるんだよ)とかの酸っぱくないフルーツ
・にんじん(甘い!)
・ブロッコリー(これもほんと、無農薬に限る!)
・テンペ(発酵させた大豆を固めたもの)
・セイタン(東南アジアなんかで食べられる、麩をぎゅっとしたみたいなもの。
バンコクのサンデーマーケットで食べたのは、ほんとうに美味しかった!
ちょっとチキンみたいだった)
・タヒニ(練りごまは欠かせないよ)
・アラメ(にんじんと炊くと美味しい)
・キヌア(インカで食べられていたQuinoa。あたしにはキンワって聞こえるんだけど、
滋養豊富なプチプチ穀物。これ、大好き!)
・EdenのSoy Milk(ここの豆乳は濃厚)
・ミネラルウォーター x 4ダース(きれいな水はからだとこころの源)
こうしてあたしの担当、
ナチュラルフードなキッチンが、スタートした。



